限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。

 周囲にはおかしく思われてはいけないと、私は黙ったままで無表情を保ち去るしかないのだけど、ペルセフォネはより苛立った表情になっていた。

 時折こうして私に釘を刺していく彼女はこうした企みが、怒りを我慢できぬ自分の軽率な行動により、明るみに出ても良いのかしら?

 ……私は嫌だ。

 あんなに優しくて真っ直ぐな人に嘘をつくことにしたのだから、本当は私自身が苦しんでいたことなんて、何も知られたくない。

 ペルセフォネ嬢が晴れて社交界デビューを果たし私は婚約者を辞退し……そして、裕福な大富豪の手を取った嫌な女として可哀想なギャレット様の前から去って行きたい。