恐怖探偵団と呪われた願い事

夜々が異能力を唱えると、異形の動きが止まる。夜々は触れた者の感情を操作することができるのだ。「動きたくない」と異形たちの心をコントロールしている。

「傑!今です!」

「夜々、ありがとう!」

傑が真希の肩に触れた。そして異能力名を口にする。

「異能力・テミスは虚構の夢を見る!」

真希の体から光輝く文字がいくつも溢れ、傑の体の中に吸い込まれていく。傑の目が大きく見開かれた。彼の大きな手が、真希の頭を撫でる。

「……そうか。君はこんなにも辛かったんだな。揶揄われ、物を奪われ、時には突き飛ばされて……。そして、見知らぬ人からあの短冊を渡されて、書いてしまったんだな」

「……だって、もう、逃げるにはこれしかなかったから!」

真希の目から涙が溢れ出す。傑が真希を抱き締めた。

「わ、私は、弱いから!呪うことしか、できないの!」

「弱くていい。無理に戦わなくていいんだ。……でも、相手を呪うという行為は、自分の首を最終的には締めることになる。今度は呪いではなく、人に頼ってほしい」