「っあー
あいつ、やっと追い出せた!」
そう言いながら嬉しそうにソファで寝転ぶ七桜。
"あいつ"。
それは俺たちの所属する暴走族 神風の元総長である咲月結彩の事だ。
総長といっても形だけで、戦力的には論外。
その上戦っているとこすら見たことがない地味な女。
「…荷物も追い返したし、もう来る方法もないよ。
後は学校で鉢合わせしない限りはね。」
そう淡々と言いながら紙パックのジュースを飲む葵。
「…だな。」
なぜあいつが総長だったのか。
それは前総長が何故かそいつを気に入って、神風の総長に推薦したからだった。
俺は前総長に恩があった。
だから総長が推薦したことも、別に良かった。
だけど本当に、あいつは役たたずの無能だった。
だから俺たちはあいつを追い出した。
少なくとも、七桜と葵はそれだけだ。
…でも俺は、あいつにそれ以外の意味で嫌いだった。
あいつ…咲月結彩は、いつも
『大丈夫…ですか?』
─俺の"大切な人"を思い出させる。
「…星蘭…。」
出会って消えてから、1年と半年という時が過ぎた。
彼女については何一つ、情報がない。
…あの日の夜…。
『…私がなにかしちゃったら謝るっ…だからっ…、』
…縋り付くような、あの目。
何故か心乱されてしまう自分がいるのは、あの黒い瞳を、俺を見つめた星蘭の瞳と重ねてしまったからか。
…どっちにせよ、ムカつく話だったんだ。
「聞いてんかよ、玲音!」
「あー?」
そう言って七桜が馬鹿みたいにデカイ声量で、それまで黙っていた俺を呼ぶ。
「…こっから、オレたちは目的の為に動く。」
「目的、忘れてねーだろうな。
─総長サンよぉ。」
珍しく真面目な顔をして2人が俺の方を見る。
…こいつらにとっても、何よりも大切なコト。
「当たり前だ。」
俺たちの本当の目的。
─星蘭を見つけ出す。
その為だけに、俺たちは行動する。
全ては、
─彼女の為に。
そう思い、俺は握っていた拳を更に強く握りしめた。
俺は、俺達はこの時までは知らなかった。
探し求め続けた"星蘭"の正体を。
そして
─自らの手で投げ捨てた、彼女のことを。
あいつ、やっと追い出せた!」
そう言いながら嬉しそうにソファで寝転ぶ七桜。
"あいつ"。
それは俺たちの所属する暴走族 神風の元総長である咲月結彩の事だ。
総長といっても形だけで、戦力的には論外。
その上戦っているとこすら見たことがない地味な女。
「…荷物も追い返したし、もう来る方法もないよ。
後は学校で鉢合わせしない限りはね。」
そう淡々と言いながら紙パックのジュースを飲む葵。
「…だな。」
なぜあいつが総長だったのか。
それは前総長が何故かそいつを気に入って、神風の総長に推薦したからだった。
俺は前総長に恩があった。
だから総長が推薦したことも、別に良かった。
だけど本当に、あいつは役たたずの無能だった。
だから俺たちはあいつを追い出した。
少なくとも、七桜と葵はそれだけだ。
…でも俺は、あいつにそれ以外の意味で嫌いだった。
あいつ…咲月結彩は、いつも
『大丈夫…ですか?』
─俺の"大切な人"を思い出させる。
「…星蘭…。」
出会って消えてから、1年と半年という時が過ぎた。
彼女については何一つ、情報がない。
…あの日の夜…。
『…私がなにかしちゃったら謝るっ…だからっ…、』
…縋り付くような、あの目。
何故か心乱されてしまう自分がいるのは、あの黒い瞳を、俺を見つめた星蘭の瞳と重ねてしまったからか。
…どっちにせよ、ムカつく話だったんだ。
「聞いてんかよ、玲音!」
「あー?」
そう言って七桜が馬鹿みたいにデカイ声量で、それまで黙っていた俺を呼ぶ。
「…こっから、オレたちは目的の為に動く。」
「目的、忘れてねーだろうな。
─総長サンよぉ。」
珍しく真面目な顔をして2人が俺の方を見る。
…こいつらにとっても、何よりも大切なコト。
「当たり前だ。」
俺たちの本当の目的。
─星蘭を見つけ出す。
その為だけに、俺たちは行動する。
全ては、
─彼女の為に。
そう思い、俺は握っていた拳を更に強く握りしめた。
俺は、俺達はこの時までは知らなかった。
探し求め続けた"星蘭"の正体を。
そして
─自らの手で投げ捨てた、彼女のことを。


