「んーっ…!」
朝、アラームが鳴る前に起きると、いつものように朝ご飯の準備をする。
朝ごはんを済ませて片付けた後は着替えて、身だしなみを整える。
…といっても、ヴィッグや大きなメガネをつけるだけなんだけど。
そんないつものルーティンをこなし、部屋を後にする。
そして女子寮を出ようとすると、入口が何やら賑やかなことに気が付いた。
どうしたんだろう…何かあったのかな?
人の少ない道を通って、後ろから女子生徒の集まる場所を見ると、そこには予想外の人達がいた。
「えっ!?」
思わず声が漏れる。
そこにはなんと、何故か蓮也達の姿があった。
なんで蓮也達がっ…!?
唖然としていると、蓮也と目が合ってしまう。
嘘っ…なんでこっちに来てっ…!?
「結彩。待ってた。」
そうフッと笑う姿に、思わずドキッとしてしまう。
…なんで私、蓮也にドキって…。
蓮也は友達っ。しかも恩人なんだからっ…!
そう思いながら大事な友達に不覚にもドキッとしてしまったことを振り払っていると、いつの間にか真皇近くに来たようで…
「あ、結彩ちゃんいたっ!」
「結彩ちゃんおはよ。
朝イチの結彩ちゃんも可愛いね」
「…はよ。」
そう当たり前かのように挨拶をするみんなに釣られ、私も普通に「おはよう。」と言いかけてしまいそうになる。
「おはようだけどそうじゃなくてっ…!
どうしてみんなここにいるの…?」
男子寮も特別室も離れてるのにわざわざ…
何か用事ごとでもあるのかな…?
「結彩を迎えに来た。」
「へっ」
私を…?
どうしてっ…と聞きたかったけれど、さっきから後ろの女の子達から凄い目線で見られてるっ…!
目線と言うよりも…殺気っ…!
「あのっ…と、とりあえずみんなこっち来てっ…!」
そう言ってみんなの大きな背中を押して足早にその場を去った。
女の子たちが見えなくなった校舎のすぐ近くの場所でみんなに再度問いかける。
「どうしてみんな女子寮にいたの…?」
そう問いかけると、蓮也が答える。
「どうしてって…迎えに来たからだが?」
迎えに来たって…。
嬉しいけど…うーん…。
さっきの様子を思い出す。
女子生徒からの殺気を感じて思い出した。
玲音達も顔がいいから忘れてしまっていた。
玲音達もだったけれど、蓮也達、みんな凄く顔がいいっ…!!
クラスの人ともあまり関わっていなくて忘れてたけど、確か女の子達の話題にいつも名前が上がってたっ…!
「…一生の不覚…。」
なんでこんなこと忘れてたんだろ…
改めてみんなの顔を見ると、みんな顔がキラキラしてる。
そんなかっこいい人達の中に私みたいな地味な人がいたら絶対色々言われてしまうに決まってるっ…!
どうしよ…。
「もしかして結彩ちゃん、お迎え嫌だった…?」
そううるうる…と飼い主に捨てられた子犬のような目で真皇が私を見る。
えっ…私、そんな困った顔してたのっ…?
「ご、ごめんっ…そんなつもりじゃなくて…
…ただ…。」
「ただ?」
うっ…そんなふうに聞き返されたら、答えるしかない。
「…わ、私みたいな地味で可愛くない子がみんなの中にいたら、女の子たちは絶対嫌だろうなって…。」
改めて考えたらそうだ。
きっと女の子の中には、みんなに好意を抱いてる人も沢山いるだろう。
そんな中、自分たちより可愛くない地味な私が混じっていたら、すごく嫌だろう。
絶対、体育館裏とかに呼び出されちゃうやつだ…っ
…普通の人よりはケンカとかは嗜んでるつもりだから、負けるつもりはないけど…。
「そう?」
「へっ?」
真皇やみんながきょとん…とした顔でそう答える。
…もしかしてみんな、自分の顔の良さ自覚してないの…?
「まぁ俺たちが結彩ちゃんみたいな女の子と一緒にいることは少ないから女の子たちは不思議な目で見ちゃうのかもね。」
遥さんが私の意図を汲み取ったかのようにそう言ってくれて心の中で「うんうんっ…!」と頷く。
遥さんは分かってくれてたみたいでよかったっ…!
「そうなのか…。」
明らかにしゅんっ…としてるっ…!
どうしよう…いたたまれなくなってきた…。
でも女の子達にも悪いし…。
「…なら、校舎近くで合えばいい。」
「えっ?」
と、季也さん…っ?!
「あっそれいいかも!」
「ナイスアイデア〜っ!」
え、っと…みなさん?
「じゃ、それでいいか結彩?」
みんな、目を輝かせてるっ…
これ以上お断りしたら、みんな悲しむだろうし…
…それに…、
こんなにただ純粋に仲良くしてくれる人、いつ以来だろう。
「じゃあそれでお願いしますっ!」
「きーまりっ!
じゃ結彩ちゃんっ僕らが送ってあげるっ!」
「こーらっ
そんな抱きついたままいったらまた女の子達が結彩ちゃんに殺しそうな勢いで来るよ」
「えぇ〜」
「ふふっ」
…こんな時間がずっと続けばいい。
そんな淡い願いごとを私は一人、願っていた。
──幸せな時間なんて、あっという間に崩れ落ちてしまうことを忘れたように。
朝、アラームが鳴る前に起きると、いつものように朝ご飯の準備をする。
朝ごはんを済ませて片付けた後は着替えて、身だしなみを整える。
…といっても、ヴィッグや大きなメガネをつけるだけなんだけど。
そんないつものルーティンをこなし、部屋を後にする。
そして女子寮を出ようとすると、入口が何やら賑やかなことに気が付いた。
どうしたんだろう…何かあったのかな?
人の少ない道を通って、後ろから女子生徒の集まる場所を見ると、そこには予想外の人達がいた。
「えっ!?」
思わず声が漏れる。
そこにはなんと、何故か蓮也達の姿があった。
なんで蓮也達がっ…!?
唖然としていると、蓮也と目が合ってしまう。
嘘っ…なんでこっちに来てっ…!?
「結彩。待ってた。」
そうフッと笑う姿に、思わずドキッとしてしまう。
…なんで私、蓮也にドキって…。
蓮也は友達っ。しかも恩人なんだからっ…!
そう思いながら大事な友達に不覚にもドキッとしてしまったことを振り払っていると、いつの間にか真皇近くに来たようで…
「あ、結彩ちゃんいたっ!」
「結彩ちゃんおはよ。
朝イチの結彩ちゃんも可愛いね」
「…はよ。」
そう当たり前かのように挨拶をするみんなに釣られ、私も普通に「おはよう。」と言いかけてしまいそうになる。
「おはようだけどそうじゃなくてっ…!
どうしてみんなここにいるの…?」
男子寮も特別室も離れてるのにわざわざ…
何か用事ごとでもあるのかな…?
「結彩を迎えに来た。」
「へっ」
私を…?
どうしてっ…と聞きたかったけれど、さっきから後ろの女の子達から凄い目線で見られてるっ…!
目線と言うよりも…殺気っ…!
「あのっ…と、とりあえずみんなこっち来てっ…!」
そう言ってみんなの大きな背中を押して足早にその場を去った。
女の子たちが見えなくなった校舎のすぐ近くの場所でみんなに再度問いかける。
「どうしてみんな女子寮にいたの…?」
そう問いかけると、蓮也が答える。
「どうしてって…迎えに来たからだが?」
迎えに来たって…。
嬉しいけど…うーん…。
さっきの様子を思い出す。
女子生徒からの殺気を感じて思い出した。
玲音達も顔がいいから忘れてしまっていた。
玲音達もだったけれど、蓮也達、みんな凄く顔がいいっ…!!
クラスの人ともあまり関わっていなくて忘れてたけど、確か女の子達の話題にいつも名前が上がってたっ…!
「…一生の不覚…。」
なんでこんなこと忘れてたんだろ…
改めてみんなの顔を見ると、みんな顔がキラキラしてる。
そんなかっこいい人達の中に私みたいな地味な人がいたら絶対色々言われてしまうに決まってるっ…!
どうしよ…。
「もしかして結彩ちゃん、お迎え嫌だった…?」
そううるうる…と飼い主に捨てられた子犬のような目で真皇が私を見る。
えっ…私、そんな困った顔してたのっ…?
「ご、ごめんっ…そんなつもりじゃなくて…
…ただ…。」
「ただ?」
うっ…そんなふうに聞き返されたら、答えるしかない。
「…わ、私みたいな地味で可愛くない子がみんなの中にいたら、女の子たちは絶対嫌だろうなって…。」
改めて考えたらそうだ。
きっと女の子の中には、みんなに好意を抱いてる人も沢山いるだろう。
そんな中、自分たちより可愛くない地味な私が混じっていたら、すごく嫌だろう。
絶対、体育館裏とかに呼び出されちゃうやつだ…っ
…普通の人よりはケンカとかは嗜んでるつもりだから、負けるつもりはないけど…。
「そう?」
「へっ?」
真皇やみんながきょとん…とした顔でそう答える。
…もしかしてみんな、自分の顔の良さ自覚してないの…?
「まぁ俺たちが結彩ちゃんみたいな女の子と一緒にいることは少ないから女の子たちは不思議な目で見ちゃうのかもね。」
遥さんが私の意図を汲み取ったかのようにそう言ってくれて心の中で「うんうんっ…!」と頷く。
遥さんは分かってくれてたみたいでよかったっ…!
「そうなのか…。」
明らかにしゅんっ…としてるっ…!
どうしよう…いたたまれなくなってきた…。
でも女の子達にも悪いし…。
「…なら、校舎近くで合えばいい。」
「えっ?」
と、季也さん…っ?!
「あっそれいいかも!」
「ナイスアイデア〜っ!」
え、っと…みなさん?
「じゃ、それでいいか結彩?」
みんな、目を輝かせてるっ…
これ以上お断りしたら、みんな悲しむだろうし…
…それに…、
こんなにただ純粋に仲良くしてくれる人、いつ以来だろう。
「じゃあそれでお願いしますっ!」
「きーまりっ!
じゃ結彩ちゃんっ僕らが送ってあげるっ!」
「こーらっ
そんな抱きついたままいったらまた女の子達が結彩ちゃんに殺しそうな勢いで来るよ」
「えぇ〜」
「ふふっ」
…こんな時間がずっと続けばいい。
そんな淡い願いごとを私は一人、願っていた。
──幸せな時間なんて、あっという間に崩れ落ちてしまうことを忘れたように。


