私の方が年上なんだけど!!

「羽衣ちゃん、すっごく上の空だったよ。大丈夫なのかな」

スタッフさんの言葉を小耳に挟み、マネージャーさんに断りを入れて羽衣さんの楽屋をノック。

「羽衣さん、瀬山です」

「…どうぞ」

「失礼します」

扉を開けると、椅子に座り割本を手にした姿が飛び込んできた。

でも、文字は読んでないんだろうなって様子。

「羽衣さん」

俺は羽衣さんの隣の椅子に座り向き直す。

「ん…?」

そして、羽衣さんの頬をワシッと掴む。

そんな羽衣さんは突然のことに目を丸くする。

「ーーっあっははは!羽衣さん、タコみたい!」

「ちょっと!やったのは瀬山さんでしょ!」

「人の顔見て笑わないでくれる?」

「だって羽衣さんっ」

「だってじゃないよもう」

って言いながら未だ笑いが止まらない俺を見て困ったように笑う。

「ーー瀬山さん、ありがとね」

「いや、俺の足を引っ張られるのは困るから」

「はぁ!?なにそれ、感謝して損した」

「俺は得したよーじゃねー」