「今日は帰るだろ」
やっと出た言葉だった。
緋色が露骨に残念そうな顔をする。
「えー」
「えーじゃない」
「じゃあまた来てよ」
即答だった。
美都は少しだけ目を丸くする。
緋色は当然みたいに続けた。
「姉ちゃんも喜ぶし」
「もう緋色」
翡翠が止める。
でもその顔は少し赤かった。
しばらくして帰る時間になる。
翡翠が玄関まで送ってくれる。
緋色は最後まで手を振っていた。
「またね神城さん!」
「……ああ」
玄関の外へ出ると風が少し冷たい。
翡翠も一緒に出てきた。
「送るよ」
「いらない」
「送る」
即答だった。
結局二人で歩くことになる。



