君だけが俺の居場所だった


昼前に三人で買い物へ行くことになった。

緋色がどうしてもアイスを買いたいらしい。

近くのショッピングモール。

休日だから人も多い。

翡翠は前を歩く。

その後ろに緋色。

さらに後ろに美都。

そんな並びだった。

その時だった。

人の波が流れる。

緋色が「あっ」と声を上げた。

気付けば美都が少し離れてしまう。

ほんの数メートル。

それだけでも翡翠は無意識に振り返った。

神城くん。

その姿を探していた。

人混みの向こうに美都が見える。

ちゃんといた。

その瞬間胸の奥がほっとする。

安心した。

はっきり分かるくらい。

そして翡翠は気付いてしまう。

なんで安心したの?

たった数メートル離れただけなのに。

なんで探したの?

「姉ちゃん」

隣の緋色がにやりと笑う。

嫌な予感しかしない。

「なに」

「今神城さん探したでしょ」

翡翠が固まる。

緋色は満面の笑みだった。

「好きじゃん」

その瞬間翡翠の顔が真っ赤になる。

そして少し離れた場所で何も知らない美都がこちらへ歩いてきていた。