その週末美都はまた橘家に来ていた。
最近は前より頻繁だった。
理由はある。
でも認めたくはない。
翡翠は買い物へ出ていた。
だから今は美都と緋色だけだった。
「神城さーん」
ソファでゲームをしながら緋色が呼ぶ。
「何」
「暇」
「知らん」
いつものやり取りだった。
しばらく沈黙。
ゲーム音だけが響くその時だった。
緋色が突然言う。
「神城さんさ」
「何」
「姉ちゃん好きでしょ」
部屋が静まり返った。
美都の手が止まる。
数秒完全に固まった。
「……は?」
やっと出た言葉だった。
「だから姉ちゃん」
緋色はケロッとしている。
「好きでしょ?」
「違う」
即答だった。
人生最速だった。
緋色が吹き出す。
「はや」
「違う」
「はいはい」
全然信じていない。
美都の眉間に皺が寄る。
最悪だった。
なんでこんな話になる。



