田他里町(たたりまち)の怖い話【200文字怪談】

逆玉の輿で私を捨てた元カレが、私の花屋に毎日のように通っていた。
病床の妻を喜ばせたいと、スズラン、クリスマスローズ、アジサイを愛おしそうに買っていった。
「待たせたね。ようやく終わったよ。最後に、白い菊を頼むよ」
彼の優しい微笑みに、私の背筋が凍りつく。
思い出して震えた。猛毒の花たちを胸に抱え、満足そうに、私の知らない家庭へ帰っていったあの男の背中を。
そして……花言葉を。