田他里町(たたりまち)の怖い話【200文字怪談】

家族がそれぞれ、お気に入りのアンティークを持ち帰ってきた。父は古いマホガニーの椅子。
母は微笑む磁器の天使人形。私は革表紙の古い日記帳。深夜。軋む椅子に誰もいない座面が沈み、人形の首が私の方へゆっくりと傾く。
開いた日記、日付は昭和初期。青い目の少女が綴る。最後のページ、震える文字、かすれたインク。
『集まっちゃったの、全部。人形が私を見たの。あ、部屋のドアが――』
ギギギィっと今、後ろのドアが。