【二百文字】怪談集

毎晩、へそからカリカリと音がする。
シャツをめくると、小さなおじさんがへそのごまをかじっていた。
「どーも! ビールに合うね」

汚らしくて嫌だった私は、その日から必死でへそ掃除に励んだ。
消毒液を注ぎ、爪でえぐる。
腹の奥がズキズキ痛むが我慢した。
ようやくピカピカになり、音も止んだ。

なのに、朝起きるたび体重が1キロずつ減っていく。
鏡を見ると、へそが少し、深くなっている気がした。