【二百文字】怪談集

新規オープンした焼き鳥屋で、友達とメニューを見ていた。
炭火の煙が店内に充満してる。
「ここ、皮が絶品らしいよ」
隅に小さく書かれた文字が目に入った。
【化けの皮、高価買い取り】
……え? ふと隣の友達の顔を見た。
目と口の位置が、ほんの少しだけずれている。
皮膚の境目が、笑うたびに微かに浮き上がる。
彼女は串を美味しそうに頬張りながら、
「どうしたの、食べよ?」
笑顔の端に裂け目があった。