田他里町(たたりまち)の怖い話【200文字怪談】

初めての香水。魔女の店のオーダーメイド。
『好きな人を虜にするフレグランス』
甘酸っぱい林檎と、微かなスパイスの香りを身に纏う。
翌朝、憧れの晩羽伊谷先輩が息を切らし私を壁ドン!
周囲の悲鳴が響く。
先輩と私、目と目が合う。
「シナモンのきいたアップルパイの匂いだね」
嘘じゃなかった。私は確かに先輩を虜にしている。
先輩は私を優しく抱きしめ、鋭く尖った牙を首筋に寄せささやいた。
「いただきます」