【二百文字】怪談集

バーガーショップでバイトを始めた。店の名物シェイクにお客さんは「毎回味が違う」と言う。
「材料は同じ。ただ、飲んだ人を少し混ぜるだけ」先輩は楽し気に笑った。
私も練習で作ったシェイクを一口。とろりと喉に流れる。
甘酸っぱさの奥から、見知らぬ暗い部屋と激しい頭痛の記憶が流れ込んだ。
目の前に笑う先輩の顔。それは三年前に行方不明になった兄の最期の記憶。
苺をミキサーに放り入れ、もう一度スイッチを押す。