【溺愛空想エッセイ】うさおちゃんとの溺愛の日常

  

 お日さまがさんさんと照る、清々しい青空の下。

 和やかな緑が広がる芝生公園に立つ、わたしとうさおちゃんも、心がとっても晴れ晴れしていて、気分爽快、テンションアゲアゲである。

「青空満点! 気分爽快っ! 今日は最高のお花見日和だね!!」
「ふふふっ。そうだね、ねねこちゃん♡ お花なんてどこにもないけどね」

 そう、辺りのどこを見渡しても、お花は一輪も咲いていない。ここは芝生公園であり、桜の時期もとっくの昔に終わってしまっているし、足元にだって小さなお花の一つさえ見つからない。
 今日ここに来たのも、お花見ではなくピクニックをするためだ。晴れ晴れとした光景に心をはずませ、両手をあげてお日さま光を全身全霊で受け止めている。

「お花なら咲いているよっ! わたしのこころに! いっぱい! いっぱいにねっ!」

 目には見えずとも、わたしのこころにはお花畑が広がっていた。それほどまでに、わたしはとってもしあわせで、こころがおどっていたのだ。
 そんなアゲアゲなわたしを、うさおちゃんは、ギンガムチェックのかわいいレジャーシートに座って、しあわせでいっぱいの笑顔をたたえて見ていた。

「どんなお花が咲いているの?」
「えっとお……あっ! やっぱり、桜かな。桜の花がね、地面からにょきにょきーーって、いっぱいいっぱい生えているんだよっ!」
「桜がにょきにょきーって、コスモスみたいな感じかな?」
「そうそう、コスモス! コスモスのお花がね、いろんな色のが咲いているんだ〜! 赤にピンクに、白色に〜、青に紫、水色まで! とってもカラフルで素敵なお花畑で〜、ちょうちょもいっぱい飛んでいるんだよっ!」
「それは素敵なところだね〜。ねねこちゃん、とっても活き活きしてて、とってもかわいいよっ。見ているぼくまで癒されちゃう」
 
 うさおちゃんは、そう言って、カバンからスケッチブックと画材を取り出した。
 彼の本職は、絵描きさん。お絵描きをするのが好きなのだ。わたしは絵を描くのは嫌いじゃないが、得意でもない。
 わたしの本職は、物語作家。ロマンチックなシチュエーションを、いっぱい想像するのが得意なのだ。
 
 わたしは居ても立っても居られず、うさおちゃんにかけよって、その胸の中にダイブした。彼が反射的な反応で、スケッチブックと、画材の入ったペンケースをどけてくれたおかげで、見事ダイブに成功した。

 広く平らかな彼の胸に、ぎゅ〜っとほっぺを沈める。あふれるばかりの愛情に、わたしはたまらずに足をバタバタ動かした。
 急な突撃におどろいたうさおちゃんは、やがて盛大に笑った。そしてぎゅーっと抱きしめてくれた。
 どっくん、どっくんと、彼の心臓の鼓動がよく聞こえた。うさおちゃんも、よろこびでいっぱいなのかな、とそんなことを思った。

 あまりにも熱くなりすぎたので、わたしはレジャーシートの上に仰向けになって、心を落ち着かせた。
 ひんやりと、ほっぺに冷たいものが現れた。見ると、チューチューのスティックを凍らせたものの半分だった。
「食べる?」と、もう半分を持ったうさおちゃんが、愛らしくてやさしい笑顔で、そう言った。

「うん、食べる!」

 わたしは元気にそう言った。


 その後、うさおちゃんはスケッチブックと、鉛筆やマーカーペンでわたしの絵を描いてくれた。
 笑顔で両手を上げたわたしが、いろんな色のコスモスの花に囲まれている絵を。