すると皐月は視線を逸らした。 少しだけ不機嫌そうに。 「...別に。」 絶対別にじゃない声のトーンだけど。 しばらく歩いて。 ふいに皐月が小さく呟いた。 「花梨が可愛いのなんて。」 「?」 一瞬だけ視線が合う。 心臓が跳ねた。 そして。 「俺が一番よく知ってるから。」 夕日に照らされた横顔。 その言葉の意味を理解するのに数秒かかった。