なのに。 「花梨。」 突然、名前を呼ばれて肩が跳ねる。 聞き慣れた声。 振り向くと、そこには皐月が立っていた。 女子たちの視線を引き連れたまま。 「おはよう。花梨」 爽やかな笑顔。 その一言だけで周囲から小さな歓声が上がる。 「……」 周りの女子たちの視線が一斉にこちらへ向く。 怖すぎて挨拶を返せない。 痛い。 ものすごく痛い。