地味な私が人気者の幼なじみに溺愛されています。


結局。

私はまた皐月と並んで歩いていた。

夕焼けが二人の影を長く伸ばす。

しばらく沈黙が続く。

だけど。

不思議と嫌ではなかった。

昔から当たり前だった距離。

それなのに今は私だけ意識してる

「花梨。」

名前を呼ばれる。

心臓が跳ねた。


「な、なに。」

「逃げるな。」

真っ直ぐな声だった。

後ずさりそうになった私は思わず足を止める。

皐月は少しだけ困ったように笑った。

「ちゃんと話したいから。」

夕日に照らされた横顔。

その表情は真剣だった。

「だから。」

皐月は一歩近づく。

私は反射的に後ろへ下がろうとした。

だけど。

「っ――」

手首をそっと掴まれる。