小学校三年の時。 花梨が転んで泣いていた。 膝を擦りむいて。 目を真っ赤にして。 その時。 俺はなぜか泣き止ませたくて必死だった。 保健室まで連れていった。 絆創膏を貼ってもらった。 花梨は笑った。 『ありがとう、皐月。』 その笑顔を見た瞬間。 なんだかすごく嬉しかった。 今思えば。 あの頃から特別な存在だったのかもしれない。