私の髪を撫でる手の感触に、胸の奥がくすぐったくなる。 私は自然と皐月の胸に顔を埋めた。 すると。 皐月の腕が少しだけ強くなる。 服越しにも伝わる体温に包まれ、自然と肩の力が抜けていく。 温かい。 安心する。 気づけば私は。 遠慮することなくその温もりに甘えていた。 少し前の私なら考えられなかった。 誰かに頼ることも。 弱い自分を見せることも。 ましてや。 誰かの隣にいたいと思うことも。 ずっと怖かった。 比べられることも。 傷つくことも。 大切な人を失うことも。