皐月はそっと私の頭を撫でた。 優しい手だった。 「今度はちゃんと話せ。」 「……うん。」 「約束。」 「うん。」 私は小さく頷く。 すると皐月は安心したように微笑んだ。 それだけなのに。 胸の奥がじんわり温かくなる。 そのあとも。 皐月はなかなか帰ろうとしなかった。 玄関先に立ったまま。 何度も私の顔を見ては、 「本当に大丈夫か?」 と確認してくる。 そのたびに私は何度も頷く。