余裕がないって言ってたけど いつもの優しい皐月の温もりだ。 けれど。 角度が変わる度に唇から伝わる熱が、全身に広がっていく。 夕陽の光も。 静かな踊り場も。 何もかもが遠くなる。 聞こえるのは、自分の鼓動だけだった。 いつもより長めのキス やがてゆっくり唇が離れた。 離れたあとも、頬に添えられた手の温もりが残っていた。