「笑うなし」 「...っだって、」 「笑っちゃだめ。」 ますます可愛い。 そう思ってしまう。 その瞬間だった。 ぐいっと腕を引かれる。 「え?」 教室から抜け出して、気づけば人のいない階段の踊り場だった。 窓から差し込む夕陽が、踊り場の床を橙色に染めている。 静かだった。 遠くから聞こえる運動部の掛け声だけが、かすかに響いている。