「……いじわる。」 顔が熱い。 皐月は少しだけ満足そうに笑って、軽く頭を撫でる。 昔みたいに自然で、でも全然違う意味で。 そのまま、何も言えなくなる。 風だけが通り抜けていく。 次の瞬間。 ふわっと抱きしめられた。 一気に距離がゼロになる。 さっきまでの風が嘘みたいに遠くなる。 「ちょっと、皐月……!」 慌てて声を出すけど、逃げられない。 皐月の腕は強くない。 でもちゃんと離さない力だった。 安心させるみたいに、ゆっくり包む感じ。