安心したみたいに息を吐いて、もっと近くにくる。 逃げないか確かめるみたいに、ゆっくりと。 皐月の手がそっと私の頬に触れた。 あたたかい。優しい手 そのまま距離がなくなる。 呼吸がかかるくらい近い。 時間が止まったみたいだった。 そしてそっと、触れるだけのキス。 一瞬なのに、やけに長く感じる。 離れたあと、皐月は少しだけ目を伏せて、それから笑った。 「よかった」