見てた。 ずっと。 私が気づかないまま。 胸の中がぐちゃぐちゃになる。 怖いじゃなくて、違う感情が勝ってきていた。 皐月は少しだけ困ったように笑う。 「あ、ここまだ学校の前だった。場所、変えよっか?」 その優しさに、私は小さく頷いた。 二人で歩き出す。 手は繋がれていないのに、距離はやけに近い。 その距離が、余計に落ち着かない。