でも何も言わない。 その沈黙が一番痛かった。 風が通り過ぎる。 夕方の空気が冷たい。 「...皐月には好きな人いるでしょ、その子のこと考えてあげてよ...。」 やっと出た声は震えていた。 一瞬、意味が分からなかった。 でもすぐに理解する。 全部が繋がる。 距離も、視線も、この空気も。 違う。 それだけは違う。