「皐月……。」 名前を呼ぶと、皐月は少しだけ困ったように笑う。 だけど。 私は別の意味で限界だった。 ゛抱きしめられてる。゛ その事実を自覚した瞬間。 顔が一気に熱くなる。 「っ……!」 思わず身を引こうとする。 でも。 皐月の腕の中だから逃げられない。 余計に意識してしまう。 心臓がうるさい。 絶対聞こえてる。 そう思うくらい激しく鳴っていた。 「花梨?」 皐月が不思議そうに私を見る。