「ごめん!」 気づけばそう叫んでいた。 皐月が目を見開く。 私自身も驚いた。 「え?」 「その……!」 言葉が続かない。 頭の中がぐちゃぐちゃだった。 「じゃ、じゃあ私帰るね!」 「待っ――」 最後まで聞かずに走り出した。 逃げるみたいに。 本当に逃げるみたいに。 校門を抜ける。 信号を渡る。 駅前を通る。 走っているのに。 胸の苦しさは消えなかった。