私は咄嗟に近くの壁の陰へ隠れた。 別に隠れる必要なんてない。 見なかったふりして去ったら良かった。 そう思うのに。 なぜか気になって動けない。 女の子はぎゅっと制服の裾を握る。 そして。 勇気を振り絞るように顔を上げた。 「私九条くんのことが好きです。」 胸が大きく揺れる。 「ずっと前から好きでした、私と付き合ってください。」 静かな廊下に声が響いた。 そっか告白だ。 そう理解した瞬間。 なぜか息が苦しくなった。