常夏の甘い恋を、キミと。 〜どうやら恋の始まりはお互いフェチだった模様です〜

side侑李

あ〜、おもしろかった、あの女の子。
俺………桐生侑李は、さっきの女の子、小鳥遊陽葵について思い出し笑いをした。
腕にぶら下げているレジ袋のなかのお酒が、わずかに波立っているのを感じた。

それにしても、あの子の名前、陽葵って言うんだな。
響きが軽やかで可愛くて、結構好きかも。
それに、顔も悪くない。

ボブくらいの長さであろう髪は、アッシュブラウンに染められていて、高い位置でお団子にまとめられている。
タレ目で大きな瞳に、人懐っこさを感じさせる顔立ち。
唇は綺麗な桜色で、肌も透き通るように白い。
おしとやかな美人っていうより、かわいい感じで俺は好きだ。
しかも…………。
自分が変態であることを覚悟して言うが、あのお団子とうなじの組み合わせはドストライク。
そう、俺は生粋のうなじフェチであった。
ポニーテールより、お団子の方がはっきりうなじが見えるし好き。
特にゆるふわな雰囲気の子がするとマジでタイプすぎる。

実は俺は、彼女の存在を元から知っていた。
確か、あれは俺が大学1年の冬だっただろうか。
俺が夜、久々にジャンクフードを食べる気分になった時に出向いた店で、彼女はバイトをしていた。
同じ大学でたまに見かける存在だったし、何より彼女は密かに人気だったので、「ああ、あの人か」という感じで思っていたんだけど。
俺が食べ物を注文した後、「少々お待ちください」と言いながら、他の店員と確認を取る時に背を向けた瞬間、俺の鼓動はドクっと高まった。