コンコン。 ドアをノックする。 「失礼します」 中にいたのは伊織だけだった。 「あれ?」 伊織は少し驚いた顔をする。 「天音さん」 私はプリントを差し出した。 「落ちてたよ」 「あ、本当だ」 伊織はほっとしたように笑う。 その時だった。 ふと机の上が目に入る。 書類がたくさん並んでいた。 奨学金。 支援制度。 学費。 そんな文字が見える。 私は思わず視線を止めた。