私は珀翔の髪を優しく撫でる。
珀翔は目を閉じる。
嫌がらない。
むしろ少しだけ擦り寄った。
猫みたいだった。
普段は絶対見せない姿。
私だけが知っている珀翔。
その事実が嬉しかった。
「好きだ」
珀翔がぽつりと言う。
目を閉じたまま。
安心しきった声で。
私は笑う。
「私も好き」
すると。
珀翔が少しだけ顔を上げる。
「俺の方が好き」
真顔だった。
だから余計に可笑しくて。
愛しかった。
私は笑いながら珀翔の頭を撫でる。
その夜だけは。
誰よりも強かった珀翔が。
私だけに甘えてくれた。
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