「少しだけ」 掠れた声。 「このまま」 子供みたいな言い方だった。 私は優しく背中を撫でる。 すると。 珀翔が安心したように息を吐いた。 「……落ち着く」 小さな声。 聞こえるか聞こえないかくらいの声。 でも。 私にはちゃんと届いた。 しばらくして。 珀翔がぽつりと呟く。 「ずっとそばにいて」 胸が大きく鳴った。 珀翔は甘えるのが苦手だ。 弱音を吐くのも苦手だ。 だから。 その一言がどれだけ特別か分かる。 私はそっと髪を撫でた。 「うん」 優しく答える。 「ずっといるよ」