私は少しだけ笑う。 そして。 両手を広げた。 「おいで」 珀翔が固まる。 「え?」 「甘えたいんでしょ?」 顔が真っ赤になる。 でも。 私は手を下ろさない。 しばらく見つめ合う。 そして。 珀翔は観念したようにため息を吐いた。 ゆっくり近付いてくる。 そして。 ぎゅっ。 次の瞬間。 珀翔が私を抱きしめた。 強く。 離したくないみたいに。 肩へ顔を埋める。 私は思わず笑った。 「珀翔くん?」 返事はない。 でも。 抱きしめる腕だけが少し強くなった。