修学旅行一日目の夜。 自由時間。 男子部屋では怖い話大会が始まっていた。 「それでな」 玲夜が真顔で話す。 「誰もいないはずの廊下から足音が――」 「やめろ」 珀翔が即答した。 伊織が吹き出す。 「珀翔怖いの?」 「別に」 即答。 でも顔が少し険しい。 完全に苦手だった。 結局。 怖い話は深夜まで続いた。 部屋へ戻る頃には廊下も真っ暗だった。 珀翔は無言で歩く。 でも。 少しだけ足が速い。 「お前怖いんだろ」 玲夜が笑う。 「うるさい」 「図星だ」 「黙れ」 耳が少し赤かった。