新幹線が動き出す。 最初はみんな騒いでいた。 写真を撮ったり。 お菓子を食べたり。 でも。 一時間もすると静かになっていく。 私は窓の外を見ていた。 その時。 肩に重みを感じた。 「え?」 振り返る。 珀翔だった。 寝ている。 完全に寝ている。 私は固まった。 肩にもたれたまま。 すやすや寝ている。 信じられなかった。 珀翔が。 人前で。 こんな無防備な顔をするなんて。 思わず見つめてしまう。 長い睫毛。 穏やかな寝顔。 少しだけ幼く見えた。