「行くぞ」 珀翔が言う。 私は呆然としたまま頷いた。 二人でゴールへ向かう。 周りの歓声がすごい。 でも。 何も聞こえない。 心臓の音だけが大きかった。 隣を見る。 珀翔は真っ直ぐ前を見ている。 でも耳が赤かった。 ゴール後。 玲夜が飛んできた。 「待て待て待て!」 珀翔が眉をひそめる。 「何だよ」 「何だよじゃないだろ!」 玲夜がカードを奪う。 文字を見る。 固まる。 伊織も見る。 固まる。 朔斗も見る。 無言になる。 空気が重かった。