「うるあ」 今度は朔斗だった。 私は顔を上げる。 「明日転ぶな」 「転ばないよ」 「転ぶ」 即答だった。 私は吹き出す。 すると朔斗が少しだけ笑った。 珍しい笑顔だった。 帰り道。 私は一人で歩いていた。 体育祭。 後夜祭。 楽しみだった。 でも。 それ以上に。 最近は気付いてしまう。 目で追う人がいる。 声を探してしまう人がいる。 思い出すだけで。 少しだけ胸が熱くなる人がいる。 そしてその人は。 いつも私の隣を歩いてくれていた。