「誰?」 玲夜が眉をひそめる。 男子は笑った。 「中学の同級生」 そう言って珀翔を見る。 「覚えてるよな?」 珀翔は答えない。 答えられない。 ただ。 拳を強く握り締めていた。 私はその手が震えていることに気付いた。 「じゃあまたな」 男子はそれだけ言って去っていく。 誰も引き止めなかった。