「まだ遅くないよ」 私の言葉に。 朔斗は目を見開いた。 風が吹く。 静かな廊下。 しばらく誰も話さなかった。 「朔斗くんの人生でしょ」 私はもう一度言う。 「自分で決めてもいいと思う」 その瞬間。 朔斗の表情が揺れた。 今まで見たことがないくらい。 苦しそうに。