その時だった。 「うるあ」 伊織が呼ぶ。 私は顔を上げた。 「ん?」 「これ」 机の上に置かれたのは小さな箱だった。 私は首を傾げる。 「何これ?」 「クッキー」 伊織が笑う。 「妹が作った」 私は目を丸くした。 「えっ」 「昨日お礼言っといてって」 その言葉に。 思わず笑顔になる。