玲夜は少し驚いた顔をした。
「普通さ」
苦笑する。
「そこで聞かない?」
「聞いてほしいなら聞く」
私が答える。
すると。
玲夜は吹き出した。
そして。
少しだけ遠くを見る。
「昔」
小さな声。
夕陽が横顔を照らす。
「本気で好きだった子がいた」
私は目を見開く。
玲夜は笑った。
でも。
その笑顔はどこか寂しかった。
「その子だけは特別だった」
「全部信じてた」
静かな声。
そして。
「でも裏切られた」
胸がぎゅっと痛くなる。
玲夜は続けた。
「だから今は」
少しだけ自嘲するように笑う。
「誰も本気で好きにならないようにしてる」
私は何も言えなかった。
その言葉が。
思ったよりずっと苦しそうだったから。
すると玲夜は私を見る。
そして少しだけ笑った。
「重い話したな」
「うるあだけだからな」
その言葉に。
今度は私の心臓が大きく跳ねた。



