「嘘」 気付けば言葉が出ていた。 伊織が目を丸くする。 私は続けた。 「帰りたくない顔してる」 数秒。 静かな時間が流れる。 伊織は驚いたように私を見ていた。 やがて。 観念したように小さく笑う。 「本当に鋭いね」 そして。 少しだけ視線を落とした。