「伊織くん?」 思わず声をかける。 伊織が驚いたように振り返った。 「うるあ?」 その顔は少し疲れていた。 いつもの笑顔じゃない。 「帰ってなかったの?」 私が聞く。 伊織は苦笑した。 「うるあこそ」 「忘れ物」 私は資料を見せる。 すると伊織が少し笑った。