私だけが知っている、君の秘密


作業が終わり。

みんなが帰る準備を始める。

私は荷物をまとめながら伊織を見る。

すると。

伊織がこちらに気付いた。

目が合う。

数秒。

私は迷った。

でも。

気付けば言葉が出ていた。

「伊織くん」

「ん?」

「無理しないでね」

その瞬間だった。

伊織の表情が固まる。

まるで。

そんなこと言われると思っていなかったみたいに。

そして。

少しだけ困ったように笑った。

「うるあってさ」

伊織が小さく呟く。

「本当に人のことよく見てるよね」

その笑顔は。

少しだけ寂しかった。