その時だった。 ブブッ。 スマホが震える。 音がしたのは伊織だった。 私は反射的にそちらを見る。 伊織の表情が曇る。 まただ。 最近何度も見る顔。 玲夜も気付いたらしい。 ふっと笑顔を消した。 珀翔も本から顔を上げる。 そして。 伊織は小さく呟いた。 「……ごめん」 そう言って生徒会室を出て行った。 残された四人。 部屋の空気が少しだけ重くなる。 私は知らなかった。 その電話が。 伊織の秘密へ近付くきっかけになることを。