「朔斗くん」 私が呼ぶ。 朔斗が顔を上げた。 「如月グループって……」 言いかけた瞬間。 朔斗の表情が変わった。 初めて見る顔だった。 驚きでもない。 怒りでもない。 どこか苦しそうな顔。 私は思わず言葉を飲み込む。 静かな教室。 数秒の沈黙の後。 朔斗は小さく息を吐いた。 そして。 「……知らなくていい」 そう呟いた。