私だけが知っている、君の秘密

私は一歩近付く。

そして。

そっと珀翔の手を握った。

「うるあ……」

驚いた声。

でも私は離さなかった。

「外出よ」

優しく手を引く。

珀翔はしばらく動かなかった。

だけど。

振り払うこともしなかった。

私はそのまま歩き出す。

やがて。

倉庫の外へ出る。

夕陽の光が二人を包んだ。

その瞬間。

珀翔の表情が少しだけ緩む。

苦しそうだった呼吸も落ち着いていく。

私はほっと息を吐いた。

「やっぱり外の方がいいね」

笑いながら言う。

すると。

珀翔は少しだけ目を伏せた。

温かい手。

優しい声。

胸の奥が不思議と落ち着く。

「……ありがとな」

小さな声だった。

でも。

今までで一番素直な言葉だった。

私は思わず笑う。

「どういたしまして」

その笑顔から。

珀翔は目を離せなかった。