「玲夜くんって」 私は思わず言った。 「本当は優しいよね」 その瞬間だった。 玲夜の表情が固まる。 まるで。 そんなこと言われたことがないみたいに。 数秒後。 玲夜はふっと笑った。 でも。 その笑顔はどこか寂しかった。 「それ」 玲夜が小さく呟く。 「昔、同じこと言った人いたな」 私は首を傾げる。 「誰?」 玲夜は答えなかった。 ただ。 少しだけ遠くを見るような目をしていた。